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「いとをかし」の意味

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「いとをかし」を現代仮名遣いにすると「いとおかし」となります。

 

「いとおかし」は、「いと」と「おかし(をかし)」という2つの言葉でできています。

「いと」は、「とても」「非常に」という意味がある言葉です。

「おかし(をかし)」には、「趣がある」「すばらしい」「美しい」「可愛らしい」「こっけいだ」など文脈によって様々な意味があります。

 

したがって、「いとおかし」は「とても素晴らしい」「とても可愛らしい」という「心を動かされ感じ入る気持ち」を表現している言葉であるということがわかります。

 

「いとおかし」は、平安時代特有の「美」を表す言葉です。

 

平安時代は「平安貴族」と呼ばれる人々が、香料を使って香りを楽しむ文化がうまれたり、「蹴鞠(けまり)」といった娯楽を楽しむなど優雅に暮らしていた時代です。 そういった明るい時代背景だったからこそ、対象物を余裕をもって見て「美しい」と感じ、「いとをかし」と表現していたのです。

そもそも平安時代が「平安」といわれる所以は、戦争がなく平和な時代であったからです。

平安時代では、主に有美であると感じた場合に「いとおかし」と表現していましたが、「面白い」という気持ちも「いとおかし」で表現していました。 現代では、「すごい」「おもしろい」「かわいい」「悪い」といった全てを「やばい」の一言で表現する人が多いですよね。「いとおかし」は、現代でいう「やばい」と通ずるものがあります。